○山形村環境基本条例
平成14年12月19日
条例第33号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 環境の保全等に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針(第8条)
第2節 基本的施策(第9条―第22条)
第3節 施策の推進体制等(第23条・第24条)
第3章 山形村環境審議会(第25条―第28条)
附則
前文
わたくしたちの山形村は、四季折々の美しい自然と歴史に彩られ、清らかな水と澄んだ空気、そして豊かな緑の恵みの中で、先人の努力により今日の文化が築かれ発展してきた。
しかしながら、生活の利便性や物質的豊かさの一方で資源やエネルギーの大量消費、廃棄物の大量発生は、自然生態系への影響、生活型公害の増加を引き起こし、更には地域の環境のみならずすべての生物の生存基盤である地球環境までもが損なわれる恐れを生じさせている。
もとより、わたくしたちは健全で豊かな、やすらぎのある環境の恵みを享受する権利を有するとともに、この環境を将来の世代に引き継いでいく責務を担っている。
わたくしたちは、自然環境の保全が大きな意義のあること並びに環境が地球に住むあらゆる生物の共有財産であることを強く自覚し、すべての人々の参加と連携のもと、自然と人が共生し、良好な環境の保全と創造を推進するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全及び創造(以下「環境の保全等」という。)について、基本理念を定め、村、事業者及び村民並びに滞在者の責務を明らかにするとともに、環境の保全等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の村民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 良好な環境 土地利用、人口等の社会環境とあらゆる生物の自然環境との調和によって生ずる快適性、安全性等に優れた質の高い環境をいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全等は本村の恵まれた環境を保全し、更に健康で安全かつ文化的な生活を営む上で必要とされる良好な環境を確保するとともに、この環境が将来にわたって維持されるよう適切に行わなければならない。
2 環境の保全等は、人と自然とが共生することができ、かつ、環境への負荷の少ない持続的に発展することができる社会を構築することを目的として、村、事業者及び村民並びに滞在者がそれぞれの責任に応じた役割分担のもとに自主的かつ積極的に行わなければならない。
3 環境の保全等は、地域の環境が地球環境と深くかかわっていることを考慮し、すべての事業活動及び日常生活において地球環境の保全に資するよう行わなければならない。
(村の責務)
第4条 村は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、環境の保全等に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施するものとする。
2 村は前項の規定による施策の策定及び実施にあたっては、国及び他の地方公共団体と連携を図るよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は基本理念に基づき、事業活動に伴って生じる公害を防止し、廃棄物を適正に処理するとともに、自然環境を適正に保全するため必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、事業活動において、環境への負荷の低減その他環境の保全等に努めるとともに、村が実施する環境の保全等に関する施策に協力しなければならない。
(村民の責務)
第6条 村民は、基本理念に基づき、日常生活において、資源及びエネルギーの節約、廃棄物の排出の抑制等により、環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 村民は、環境の保全等に自ら努めるとともに、村が実施する環境の保全等に関する施策に協力しなければならない。
(滞在者の責務)
第7条 旅行者その他本村に滞在する者は、基本理念に基づき、環境への負荷の低減その他環境の保全等に自ら努めるとともに、村が実施する環境の保全等に関する施策に協力しなければならない。
第2章 環境の保全等に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針
(施策の基本方針)
第8条 村は環境の保全等に関する施策を次に掲げる基本方針に基づき、総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1) 人の健康又は生活環境に被害を及ぼす環境の保全上の支障を防止し、安全で、安心して生活のできる生活環境を確保すること。
(2) 生物の多様性の確保を図るとともに、自然環境を自然的かつ社会的条件に応じて体系的に保全しつつその適正な利用を図ることにより、人と自然の豊かなふれあいを確保し質の高い自然環境を保全すること。
(3) 資源及びエネルギーの合理的かつ循環的な利用及び廃棄物の発生の抑制を推進し、環境への負荷の少ない循環型社会を構築すること。
(4) 自然環境と一体となった美しい景観並びに歴史的及び文化的な特性を生かした良好な環境を創造すること。
(5) 身近な自然空間の整備及び人にやさしい施設の整備を推進し、潤いのある環境を創造すること。
(6) 環境の保全等に資する取組みを通じて、地球環境の保全に貢献すること。
(7) 村民及び事業者(以下「村民等」という。)の環境の保全等に資する自発的かつ積極的な取組みが促進されること、並びに村民等の意見が反映されること。
第2節 基本的施策
(環境基本計画)
第9条 村長は、環境の保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本となる計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 環境の保全等に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の大綱
(2) 環境への配慮の指針
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境保全等に関し必要な事項
3 村長は、環境基本計画を定めるにあたっては、村民等の意見が反映されるよう努めるとともに、第25条に規定する山形村環境審議会の意見を聞かなければならない。
4 村長は、環境基本計画を定めたときは、これを公表しなければならない。
(施策の策定等にあたっての環境優先)
第10条 村は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するにあたっては、環境基本計画との整合を図るとともに、環境の保全等を優先するよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第11条 村は環境の保全等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境の状況等の公表)
第12条 村長は、村の環境の状況及び環境の保全等に関する施策の実施状況を公表しなければならない。
(規制的措置)
第13条 村は、公害の原因となる行為及び自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。
(経済的措置)
第14条 村は、事業者又は村民が自ら環境への負荷の低減のための施設の整備その他適切な措置をとるよう誘導するため、助成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(事業に係る環境配慮)
第15条 村は、環境に影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者が、その事業に係る環境の保全等について適正に配慮するよう必要な措置を講ずるものとする。
(資源の有効利用の促進)
第16条 村は、環境への負荷の低減を図るため、村民等による廃棄物の減量及び適正処理並びに資源及びエネルギーの有効利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(調査の実施及び監視体制の整備)
第17条 村は、環境の保全等に関する施策を策定し、及び実施するため、必要な調査の実施、監視及び調査研究等の体制の整備その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(環境の保全等に資する施設の整備)
第18条 村は、環境の保全等に資する公共的施設の整備その他これに類する事業を推進するため必要な措置を講ずるものとする。
(自然環境の保全)
第19条 村は、自然環境の維持及び保全のための山林及び農地の保全活用、多様な野生生物の生育、生息地の保全等について必要な措置を講ずるものとする。
(環境教育及び環境学習の振興)
第20条 村は、村民等の環境の保全等についての関心及び理解が深められるよう、環境教育及び環境学習の振興その他必要な措置を講ずるものとする。
(村民等の自発的な活動の推進)
第21条 村は、村民等及び民間団体が自発的に行う環境の保全等に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
(環境情報の整備と提供)
第22条 村は、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の保全等に関する必要な情報を体系的に整備し、適切に提供するよう努めるものとする。
第3節 施策の推進体制等
(推進体制の整備)
第23条 村は、環境の保全等に関する施策の総合的かつ計画的推進のため、必要な体制を整備するものとする。
(地球環境の保全等に関する協力)
第24条 村は、地球環境の保全その他広域的な取り組みを必要とする環境の保全等に関する施策の実施にあたっては、国及び他の地方公共団体その他関係機関と協力してその推進に努めるものとする。
第3章 山形村環境審議会
(設置)
第25条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、山形村環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、村長の諮問に応じ、環境の保全等に関する基本的事項について調査及び審議するほか、必要に応じて環境の保全等に関する基本的事項について村長に意見を述べることができる。
(組織)
第26条 審議会の委員は14人以内とし、次に掲げる者のうちから村長が委嘱する。
(1) 環境の保全等に関し識見を有する者
(2) 農業委員
(3) 松本ハイランド農協山形支所担当理事
(4) 前各号に掲げるもののほか、村長が必要と認める者
2 委員の任期は2年とする。ただし、委員に欠員が生じたときの補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 審議会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選によりこれを定める。
4 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
5 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるとき又は、会長が欠けたときにその職務を代理する。
6 審議会は、必要に応じて会長が招集し、会長は会議の議長となる。
7 審議会の議事は出席議員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
(幹事)
第27条 審議会は、必要あるときは幹事を置くことができる。
2 幹事は村職員のうちから村長が任命する。
3 幹事は、審議会の所掌事務について委員を補佐する。
第28条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年1月1日から施行する。
附則(平成16年3月24日条例第11号)
この条例は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月10日条例第7号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年3月14日条例第4号)
この条例は、公布の日から施行する。