第6節 林野火災対策 |
総務課 産業振興課 第1 災害予防計画 林野火災は、多くの場合、気象、地形、水利等極めて悪い条件のもとにおいて発生し、また、山林の特殊性として発見も遅れ、貴重な森林資源をいたずらに消失するばかりでなく、気象現象によっては、消防活動従事者の人命を奪うような危険性や、人家への延焼等大きな被害に及ぶ可能性が少なくないので、火災時における消防活動が迅速かつ適切に実施できるよう、関係機関等と連携を図り、林野火災消防計画を確立し、林野火災消防計画に基づく予防対策を実施して活動体制等の整備を図る。 1 林野火災に強いむらづくり (1) 林野火災消防計画の確立 村は、関係機関と緊密な連携をとり、林野火災消防計画の確立を図るものとし、計画の作成に当たっては、森林の状況、気象条件、地理、水利の状況、森林施業の状況等を調査検討の上、次の事項等について計画する。 ア 特別警戒実施計画 (ア) 特別警戒区域 (イ) 特別警戒時期 (ウ) 特別警戒実施要領 イ 消防計画 (ア) 消防分担区域 (イ) 出動計画 (ウ) 防御鎮圧要領 ウ 資機材整備計画 エ 防災訓練の実施計画 オ 啓発運動の推進計画 (2) 予防対策の実施 林野火災消防計画に基づき、地域住民等に対する防火思想の普及啓発、巡視、指導の徹底及び消火資機材、消防施設の整備を図り、林野火災の発生の防止及び発生時の応急対策に万全を期す。 村は、林野火災予防のため、次の事業を行う。 ア 防火思想の普及 (ア) 防災関係機関の協力を得て、入山者、地域住民、林業関係者等に対し、林野火災予防の広報、講習会等の行事等を通して、森林愛護及び防火思想の徹底を図る。 (イ) 林野火災予防協議会の設置等の推進を図る。 (ウ) 自主防災組織の結成を促進する。 イ 予防資機材及び初期消火資機材並びに消防施設の整備 (ア) 林野火災発生の危険性の高い地域を林野火災特別地区として指定し、その地域の実態に即した対策事業を推進する。 (イ) 林野火災予防マップ作成の推進を図る。 (ウ) 防火管理道の作設、防火線・防火帯の設置、防火水槽の設置等消防施設の整備を図る。 (エ) 自動音声警報機等の予防資機材、水のう付き手動ポンプ等の初期消火機材及び空中消火機材、空中消火薬剤等の消火機材の整備を推進する。 ウ 山林保護監視員による巡視 エ 林野所有(管理)者に対する指導 (ア) 火の後始末の徹底 (イ) 防火線・防火樹帯の設置 (ウ) 自然水利の活用による防火用水の確保 (エ) 地ごしらえ、焼畑等火入れ行為をするに当たっては、森林法に基づくほか、消防機関との連絡方法の確立 (オ) 火災多発期における見回りの強化 (カ) 消火のための水の確保等 オ 応援体制の確立 長野県消防相互応援協定及び長野県市町村災害時相互応援協定等に基づく応援体制の整備 2 林野火災防止のための情報の充実 (1) 気象情報の収集体制の整備 長野地方気象台からの気象警報・注意報等を迅速かつ正確に収集できる体制の整備に努める。 (2) 林野火災関連情報等の収集体制の整備 林野火災の発生しやすい時期において、広報車、ヘリ等により、林野火災発生の危険性が高い地域を中心としたパトロールを実施することによって、入山者の状況等が把握できる体制を確立する。 3 迅速かつ円滑な災害応急対策、災害復旧・復興への備え (1) 情報の収集・連絡関係 防災行政無線、携帯電話を整備するとともに、これら無線機器の不感地帯に対応した通信機器についても整備を進める。 また、状況に応じてヘリ又は車両による現地情報の収集体制を整備する。 (2) 災害応急体制の整備関係 職員の林野火災発生時における非常参集体制及び相互の応援体制の確認を平常時から行い、発災時に迅速な活動ができる体制の確保を図る。 ア 職員の参集等活動体制の確認を行う。 イ 長野県消防相互応援協定、長野県市町村災害時相互応援協定等の要請方法について確認を行う。 (3) 消火活動関係 消防水利及び林野火災消火用資機材の点検整備を実施し、迅速な出動が可能な体制の確保を行う。 ア 消防局、消防団及び自主防災組織との連携強化を図り、消防水利の確認、消防資機材の点検整備等を実施し、消防体制を強化する。 イ 空中消火基地及び取水用河川、ため池等の利用可能状況を把握する。 (4) 防災関係機関等の防災訓練の実施 消防機関及び関係機関が参加し、実践的な消火等の訓練等を実施する。 ア 防災訓練において自衛隊の派遣及び広域応援を想定した訓練を実施する。 イ 消防職員、消防団員等を対象とした空中消火資機材の取扱いに関する講習等を実施する。 第2 災害応急対策計画 気象状況等により、林野火災発生のおそれがある場合においては、広報等により住民等の注意を喚起する。また、林野火災発生時においては、関係機関が連携して、初期消火、延焼拡大防止に努めるとともに、速やかな情報の収集、状況分析を行い、必要に応じて、広域航空応援等の要請等、迅速かつ的確な消防活動を行う。 このほか、林野火災により荒廃した箇所において、二次災害の防止を図る。 1 林野火災の警戒活動 火災警報の発令等、林野火災発生のおそれがあるときは、巡視、監視を強化し、地域住民及び入林者に対して警火心を喚起し、火気取扱いの指導取締りを行って、火災の発生を防止するとともに、応急体制を準備する。 (1) 火入れによる出火を防止するため、森林法(昭和26年法律第249号)に基づく村長の許可は、時期、許可条件等について事前に消防機関と十分協議する。 また、火入れの場所が隣接市町村に近接している場合は、関係市町村に通知する。 (2) たき火等の制限 ア 気象状況が悪化し、林野火災発生のおそれがある場合は、入林者等に火を使用しないよう要請する。 イ 長野地方気象台から気象警報・注意報等を受けたとき、又は、気象状況が火災予防上危険であると認めるときは、火災に関する警報の発令、住民及び入林者への周知、火の使用制限、消防機関の警戒体制の強化等必要な措置を講ずる。 ウ 火災警報の住民及び入林者への周知は、打鐘、サイレン、掲示標、吹流し、旗等消防信号による信号方法及び広報車による巡回広報のほか、テレビ、ラジオ、有線テレビ放送等を通じ、周知徹底する。 2 発災直後の情報の収集・連絡活動 林野火災の状況について迅速かつ的確な情報の収集のための、関係機関相互の連絡体制を確保するとともに、次の活動を行う。 (1) 県に対するヘリコプターによる偵察の要請(第2編第2章第5節「ヘリコプターの運用計画」参照) (2) 職員の災害現場への派遣 3 活動体制の確立 関係機関との連携の下、迅速かつ的確な消火活動を実施するための体制を確保し、正確な災害情報の収集に努める。 (1) 災害現場に派遣された職員による状況報告 (2) 消防局からの県への火災即報の送信 (3) 状況に応じ、消防防災ヘリ等の応援要請の実施 (4) 林業関係者に対し、消防機関、警察等との連携を図り、初期消火及び情報連絡等の協力を求める。 4 消火活動 林野火災発生時においては、関係機関が連携して、初期消火、延焼拡大防止に努めるとともに、速やかな情報の収集、状況分析を行い、必要に応じて、広域航空応援等の要請等、迅速かつ的確な消防活動を行う。 村は、林野火災が、その発生場所、風向及び地形等現地の状況によって常に臨機の措置をとる必要があるので、消火活動に当たっては、次の事項を検討して、最善の方途を講ずる。 (1) 出動部隊の出動区域 (2) 出動順路と防ぎょ担当区域 (3) 携行する消防機材及びその他の器具 (4) 指揮命令及び連絡要領並びに通信の確保 (5) 応援部隊の集結場所及び誘導方法 (6) 応急防火線の設定 (7) 救急救護対策 (8) 住民等の避難 (9) 空中消火の要請 5 自衛隊災害派遣要請 第2編第2章第6節「自衛隊の災害派遣」の定めるところにより、林野火災の規模や収集した被害情報から判断し、必要がある場合には、県に対して自衛隊の災害派遣を要請する。 6 広域応援要請 災害の規模により村単独では十分な災害応急対策を実施できない場合は、第2編第2章第4節「広域相互応援活動」の定めるところにより、他の消防機関、近隣の市町村、県及び国へ応援を要請する。 7 二次災害の防止活動 林野火災により、荒廃した箇所においては、その後の降雨等により、倒木の流下、山腹・斜面の土砂崩壊、地すべり及び渓流における土石流の発生などの危険性があり、これらによる二次災害から住民を守るための措置を講ずる。 第3 災害復旧計画 林野火災跡地の復旧と林野火災に強い森林づくりへの改良普及を行う。特に、消防水利の悪い地域においては、林野火災に強い森林づくりへの検討を行うとともに関係者等に対する普及啓発を行う。 |